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・公開日:2021/12/07 ・更新日:2021/12/13 クラウド活用

IoTプラットフォームとは何か? 役割や選び方も詳しく解説

IoTプラットフォームとは何か? 役割や選び方も詳しく解説

身の周りのあらゆるモノがインターネットにつながる「IoT」は、今や企業にとっても欠かすことができない重要な存在となっています。そして、そのIoTを活用したさまざまなサービスや機能をユーザーに提供するための土台となるのが「IoTプラットフォーム」です。近年では国内外でIoTプラットフォームを提供するベンダーが増えていますが、ユーザーの立場からすると「どれを選んだら良いのか分からない」「そもそもIoTプラットフォームが何か分からない」という疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、IoTプラットフォームについて、その種類や役割、選び方のポイントを詳しく解説していきます。

IoTプラットフォームとは

「プラットフォーム」という言葉は、日本語に直訳すると「土台」や「基盤」という意味で、ITに関連するさまざまな場面で用いられています。例えば、パソコンにおけるプラットフォームというのは、WindowsやMacといったOSのことで、スマートフォンではAndroidやiOSを指します。

プラットフォームはそのサービスを動かすために必要な土台(基盤)のことで、つまり「IoTプラットフォーム」というのは、IoTを動かすための土台を意味するのです。

IoTの歴史を振り返ってみると、これまではさまざまなものにセンサーを取り付け、そこから集めたデータをクラウド上に蓄積していく「データの収集」がメインの目的とされていました。ところが現代では、IoTの導入効果をより高めるためにも、「収集した膨大なデータをどのように活用するのか」に焦点が当てられるようになりました。

その結果、収集したデータを別のサービスと連携してユーザーに提供するという流れが主流となったのです。そのサービスを提供するための土台として誕生したのが、「IoTプラットフォーム」というわけです。

IoTプラットフォームの種類

IoTプラットフォームは、提供するベンダーによって機能や内容が異なりますが、主な種類は大きく、以下の4つに分類されます。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

水平・業種フルカバレッジ型

IoTプラットフォームの製品の中には、限定された機能しか対応していないものもありますが、この「水平・業種フルカバレッジ型」は、その名の通りすべての業種をカバーすることができるIoTプラットフォームです。汎用性を追求しているのが特徴で、利用する企業のニーズに合わせてカスタマイズすることができます。監視カメラの映像分析を行うものなどが代表的です。

垂直・機能フルカバレッジ型

「水平・業種フルカバレッジ型」があらゆる業種に対応するのに対し、「垂直・機能フルカバレッジ型」は、特定業種の必要な機能について、そのすべてをカバーするのが特徴です。IoTサービスの構築に欠かせない開発・導入、運用サポート、クラウドサービス基盤、ネットワークなど、必要な要素すべてをカバーするため、オーダーメイドで構築することができます。

業種に特化したシステム開発ができるというメリットがある一方で、汎用性が低いため、途中で事業内容を変更する場合には開発しなおす必要があります。

垂直・アプリ提供型

フルカバレッジ型のIoTプラットフォームから開発・導入、運用支援に関する部分を差し引いたアプリケーションを提供するのが「垂直・アプリ提供型」です。業種に特化したIoTプラットフォームで、システム開発を行う必要がない事業者向けとなっています。

垂直・基本機能提供型

4つの中で最もシンプルなのが、この「垂直・基本機能提供型」です。サービスの目的や機能を限定したプラットフォームのため、幅広い業種で使用するということはできませんが、特定の業種の限定した機能に特化し、低コストで導入することができます。

IoTプラットフォームの役割

次に、IoTプラットフォームの役割について詳しく見ていきましょう。

IoTデバイスの接続

IoTプラットフォームの基本的な役割のひとつが、IoTデバイスの接続です。プラットフォーム側が提供するAPI(Application Programming Interface)、SDK(Software Development Kit)、ドライバなどを用いてIoTデバイスやクラウドに接続します。

IoTデバイスの管理・監視

IoTプラットフォームによっては、システムの稼働状況をリアルタイムで監視し、不具合などが発生した場合にはリモートで保守・管理を行うこともできます。

IoTデバイスの制御

稼働開始、停止、作業完了の通知、スケジュール設定など、IoTプラットフォームを利用することによって、IoTデバイスを遠隔で制御することができます。

データの収集・分析

接続したデバイスから得た膨大な量のデータを収集・分析し、適切に保管することもIoTプラットフォームの大切な役割です。保管したデータを自由に出し入れできることで、ビジネスの効率化が実現します。

IoTプラットフォームの選び方

IoTプラットフォームを選ぶ際には、機能やセキュリティ面、接続性、拡張性といった具体的な性能を確認した上で、IoTの活用目的に応じた最適なものを選びましょう。IoT導入の効果を最大限に高めるためにも、自社のニーズにマッチしたプラットフォームを選ぶことが大切なポイントです。

IoT への取り組みを検討されている場合には、上記の内容を参考にして、自社に合ったプラットフォームを探してみてはいかがでしょうか。