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・公開日:2021/12/07 ・更新日:2021/12/13 クラウド活用

基幹システムのクラウド化で得られるメリットと注意点

基幹システムのクラウド化で得られるメリットと注意点

販売・購買・在庫管理、会計、人事給与など、企業経営の主要な業務を自動化・効率化するための「基幹システム」。近年は企業にとって最重要情報の数々を管理・運用するこの基幹システムについてもクラウド化が主流となりつつあります。

そこで今回は、企業が基幹システムをクラウド化することによって得られるメリットや、導入に際する注意点について詳しく解説していきます。

オンプレミスの基幹システムにおける課題

「基幹システム」というのは、その名のとおり、会社運営において基幹となる主要なシステムのこと。その種類は機能や性能によって、生産管理システム、販売管理システム、在庫管理システム、会計システム、勤怠管理システムなど、多岐に分類されています。

現在のようにインターネットが広く普及する以前は、これらすべてのシステムは自社内で所有・運用される「オンプレミス」方式が一般的でしたが、オンプレミスの基幹システムには多くの課題があったのも事実です。

例えば、自社で基幹システムを保有・運用するためには、サーバー機器を揃えることから始まり、ソフトウェアライセンスの取得、回線、設定費用などに莫大なコストが必要で、導入の際の初期費用が大きな負担となっていました。また、メンテナンスや更新はもちろん、システム障害が発生した場合の対応も自社で行う必要があり、運用負担も課題のひとつとなっていました。

基幹システムをクラウド化するメリット

基幹システムのクラウド化は、従来のオンプレミス型が抱えていたさまざまな課題を解決してくれる方法のひとつとして注目されています。では、実際に基幹システムをクラウド化した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

運用コストを削減できる

基幹システムを自社で所有・運用する「オンプレミス」の場合、サーバー機器類の設置からソフトウェアライセンスの取得などに膨大なコストが必要となります。また、基幹システムは設置して終わりではなく、その後の管理・運用も自社で行う必要があるため、メンテナンス等の費用が大きな負担となることも。

その点、基幹システムをクラウド化すれば自社内でサーバーを管理する必要はないため、維持・管理のコストと手間を大幅に削減することができるのです。

常に最新の状態で保つことができる

基幹システムをクラウド化することによって、システムのアップデートはプロバイダー側が行ってくれるため、常に最新の状態でシステムを維持することができます。

BCP対策につながる

基幹システムをクラウド化すると、インターネット環境さえあればどこからでもアクセスできようになります。大地震などで社屋がダメージを受けてしまった場合や、台風などの自然災害や感染症が流行した場合も、リモートワークを行うことができ、事業活動を止めることなく継続することが可能です。このようなBCP対策の面でも、基幹システムのクラウド化は大きなメリットがあるといえるでしょう。

どこからでもアクセスが可能

オンプレミスの場合には、決められた場所からしかシステムにアクセスすることができない場合も多いですが、クラウド化した場合ではインターネット環境があれば場所や時間を問わずに自由にアクセスできるものも多くなっています。

適切なセキュリティ対策ができる

オンプレミスで基幹システムを管理する場合、自社でセキュリティ対策を講じる必要がありますが、クラウド化した場合にはプロバイダー側がセキュリティ対策を行ってくれます。

基幹システムをクラウド化する際の注意点

業務の効率化や作業負担の軽減など多くのメリットがある基幹システムのクラウド化ですが、導入に際しては気を付けるべき点もあります。基幹システムをクラウド化する際の主な注意点を詳しく見ていきましょう。

ほかのシステムとの連携

基幹システムをクラウド化した後、スムーズに業務を行うためには、既に使用している他のシステムと連携することができるかどうかを確認しておく必要があります。

カスタマイズ性

せっかく基幹システムをクラウド化しても、現在の業務内容や運用にマッチしていなければ意味がありません。自社のニーズに応じてカスタマイズできるかどうかが重要なポイントになります。

セキュリティ

クラウド化を行う場合には、利用するクラウドサービスのセキュリティが自社のセキュリティポリシーとあっているかも重要です。具体的にどのようなセキュリティ対策が行われているのか、コンプライアンスが守られているかどうかもチェックしましょう。

データ移行

オンプレミスからクラウドへ移行する場合には、既存データが移行できるかどうかの確認も忘れずに行いましょう。

可用性の確認

基幹システムをクラウド化するということは、プロバイダーが提供するサービスへの依存性が高くなります。万が一プロバイダー側のネットワークなどに何らかのトラブルが発生した場合には、業務に大きな支障が生じることも。基幹システムのクラウド化を行う場合には、サービスを24時間365日利用できることは大前提で、しっかりと可用性を確認しておくことが大切です。

上記でご紹介した内容を参考にして、基幹システムのクラウド化を検討してみてはいかがでしょうか。