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  • freebit cloud VDC PRO
  • 株式会社マーベラス 様
高可用性・パフォーマンス向上や運用工数削減ができ、パフォーマンスが向上
『「驚き」と「感動」を世界に届ける新しいエンターテインメン卜の創造』をスローガンとして掲げ、オンライン事業/コンシューマ事業/音楽映像事業など幅広い製品・サービスを展開するマーベラス(旧マーベラスAQL)様が、フリービットクラウドを採用しました。
フリービットクラウドを選定した理由とその導入効果について、デジタルコンテンツ事業本部・開発本部・開発部インフラストラクチャーグループ・マネージャーの石野良朋様に話を伺いました。
01 障害が多くパフォーマンスに限界のあるクラウド基盤をフリービットクラウドで解決
■マーベラスの事業概要、およびインフラGのミッションを教えてください。
当社には、オンライン事業/コンシューマ事業/音楽映像事業など、さまざまな事業部があります。そして、それぞれの事業部が制作・保有しているエンターテインメントコンテンツを、事業部の枠を超えて展開しています。その結果、各事業部がもつノウハウを他の事業部にも活用できる環境が整い、これまでにない新しいコンテンツを市場に提供することができるようになりました。このことは、さまざまな業界から高く評価されています。
その中で、開発本部ではさまざまなオンラインゲームの開発や運用を行っています。
オンラインゲームの基盤には、高可用なサーバーが必要なことから、サーバーの構築・運用をすべて当社で実施しています。今回は、都市発展や領土拡大をし天下統ーを目指すオンラインゲーム「ブラウザ三国志」のシステム基盤として、国内のクラウド基盤を探していました。
■当時抱えていた課題を教えてください。
  • ブラウザ三国志の場合、通常時には260台程のサーバー上でシステムを稼働させています。ただ、合戦やイベントが始まると、一気に負荷が増加するため、サーバーを増強する必要があります。規模にもよりますが、過去には300台位のサーバーが必要になったケースもありました。
    また、ワールドの追加や統廃合も多く、サーバーの増減設もかなりの頻度で発生します。そのため、柔軟性の高いクラウド基盤を採用し、ブラウザ三国志のシステムを構築してきたという経緯があります。
    当初、ブラウザ三国志は、早い時期からサービスを提供していた海外のクラウド基盤を採用しました。しかし「障害が起きやすい」、「障害の詳細原因がわからない」、「インフラ運用が属人化しており、障害対応に時間がかかる」など、サポート体制に課題がありました。
    障害が発生すると、「ログインできない」「パフォーマンスが遅い」といったことはもちろんですが、「戦争時に出兵ができない」なんてことがあったら一大事です。サービスを提供する側として、こういった事態は極力避けなければなりません。
    また、当時のシステムはパブリッククラウドということもあり、他社の負荷影響を受ける上、パフォーマンスの限界もあり、システムに負荷をかけるような新たな施策を実施することができず、「カードの追加」も難しい状況になっていました。ゲームを盛り上げる企画を展開したくても、システムの制限の中でしか打つことができませんでした。
    これらの問題点を解決するには、可用性とパフォーマンスが高いプライベートクラウド基盤に乗り換える必要があると考えていました。
  • ブラウザ三国志
02 要件をクリアした実績とサポートで大きなメリッ卜
■検証や移行を実施した当時の様子を教えてください。
新しいクラウド基盤には、迅速な対応が期待できる国内のクラウド基盤を採用したいと考えていました。その際に留意したのは、
(1)既存クラウドで利用している32コアというハイスペックCPUに対応していること
(2)柔軟性が高いこと
(3)コストを削減できること
(4)満足できるサポート体制があること
の4点です。
選定を始めると、これらの要件を満足するクラウド基盤はいくつか見つかりました。しかし、実際に検証してみると、クラウド基盤ごとにパフォーマンスが大きく異なり、期待したほどパフォーマンスがでないものがほとんどでした。これらのクラウド基盤を排除し、残ったクラウド基盤の中で、可用性や実績などを検討した結果、フリービットクラウドを採用しました。
実は、フリービッ卜様とは2011年頃から取引がありました。フリービットクラウドを使って、大規模タイトルを運用したこともあります。これまでの取引の中で、フリービットにノウハウの蓄積があることを知っていましたし、運用体制やサポート体制についても申し分ありません。障害時の対応や原因説明についても非常に明確です。
システム移行については、いくつものプラットフォームでサービスを展開していることもあり、3回に分けることにしました。移行中のクラウド間でのデータ速度やセキュリティなどに問題がでないかと不安でしたが、結果的には、全く問題なく移行できましたね。ユーザーには、メンテナンス日時をあらかじめ伝えてあったため、特にクレームなどもありませんでした。既存環境とはサイト間でレプリケーションを行い、データベースを移行しました。
移行の際、手聞がかかったのは「システム運用で利用されていたスクリプ卜」の調査です。属人化し、特定のエンジニアしかわからないスクリプトを解読していくのは、多くの時間と工数がかかりました。オートスケールなど、自動化の仕組みは良い部分もありますが、「属人化」に関しては、リスク要因だとあらためて感じましたね。ラウド VDC PROを使って、従来のデータセンターをそのまま仮想化した、というイメージです。
03 障害は 1/5以下に『本当に安心して利用できるクラウド基盤』
■実際に使った印象はいかがですか。
現在フリービットクラウドでは他のタイトルも合わせて500台程のサーバーを稼働させています。非常に大規模なシステムですが、毎月100以上起きていた障害は、5分の1以下に滅りました。しかもこの障害は、想定している範囲の小さなもので、サービスには影響ありません。
実は、ブラウザ三国志の基盤を移し替えて間もない頃、選定時の条件に上げていた32コアの仮想マシンで想定外の高負荷が発生し、その原因をフリービットに調査/検証してもらったことがあります。その結果、32コアの仮想マシンは、使い方によっては物理マシンのリソースを有効活用できない、ということが判明しました。それ以降、仮想マシンへの割当リソースを工夫することで、物理マシンのリソースを最大限活用できるようになり、障害も少なくなりました。
それに加え、今回はフル冗長化構成としているため、サービス停止のリスクは限りなく少なくなりました。
以前は、大規模障害でサービスが停止したこともありますが、今ではそのようなことはありません。こうしたことから、フリービットクラウドは本当に安心して利用できるクラウド基盤だと実感しています。障害の発生が滅り、企画運用チームの工数は大きく削減することができました。その結果、新しい施策やプロジェクトに注力することができ、生産性も大きく上がっています。ボリュームディスカウントによってコストを大きく抑えることができただけでなく、運用コストも大きく下がっています。
また「レスポンス」も大きく改善されました。ゲーム画面での地図の表示も早くなり、ユーザーからの評価も上々です。ユーザーからの信頼を獲得し、満足度向上にも寄与していますね。また、パフォーマンスが向上したことで、イベントや新規カードの追加といった新しい取り組みも実施できるようになりました。ビジネスチャンスが広がり、実際に売り上げも拡大しています。
フリービットクラウドの採用は、当社の「企画」部門にとっても、大きなメリッ卜となりました。
■期待や今後の展望などがあれば教えてください。
フリービットクラウドについては、ブラウザ三国志で実績を積むことができたと思います。このノウハウは、他のチームにも横展開していきます。期待という部分では、APIのさらなる充実やストレージ、やスイッチ負荷状況などの詳細情報も開示していただけるとありがたいですね。
クラウドはどうしても物理環境が見えにくく、正直どうしても不安がぬぐえない部分もあります。今後新しいプロダクトを立ち上げる際も、ブラウザ三国志で蓄積したノウハウを使って、ご協力いただきたいと考えています。
  • 社名 株式会社マーベラス
    事業内容 オンラインゲームの企画・開発、家庭用ゲームソフトの企画・開発・制作・販売
    アミューズメント筐体の企画・開発・運営、音楽・映像コンテンツの企画・制作・販売、劇場演芸の興行
    WEB http://marvelous.jp/