マーベラスの事業概要や開発本部のミッションについて

開発本部 開発部
インフラストラクチャー
グループマネージャー
黒木 誠士 氏

当社の経営理念は、「驚きと感動を世界に届ける新しいエンターテイメントの創造」。この理念のもと、オンラインゲームや家庭用ゲームソフトの企画・制作・販売や、音楽や映像、舞台の興行など、幅広く事業を展開しています。
そのため、各事業部がもつノウハウを他の事業部が活用できるというのが当社の強みとなり、これまでにない新しいコンテンツを市場に提供できるようになりました。
私が所属している開発本部は、コンシューマーゲームやオンラインゲームの開発・運用を行っています。オンラインゲームの基盤として使われるサーバの構築・運用についても開発本部の業務です。
オンラインゲームではイベントなどがあるとユーザーからのアクセスが集中し、サーバの負荷が一気に増加します。このとき、サーバに負荷が掛かりすぎて、オンラインゲームのパフォーマンスが低下してしまうと、ユーザー様からネガティブな反応がダイレクトに返ってきます。
このような急激な需要の変化に対応するために最大パフォーマンスを想定したインフラを自前のオンプレミスで構築する事はコスト面、スピード面でメリットが無いため、基本的にクラウドサービスを採用しています。

「コスト削減」と「品質向上」=「クラウド基盤の移行」という選択

©Y・S/IE ©MARV

今回は、漫画「一騎当千」が原作の人気アニメ「一騎当千集鍔闘士血風録」を題材にした美少女闘士たちがカードバトルを行うソーシャルゲーム「一騎当千 バーストファイト」の基盤を乗り換えることにしました。
「一騎当千 バーストファイト」はサービスインから5年が経過したロングタイトルで、某海外クラウドで運用していました。
課題としてはIO性能の向上とこれまでのサービスレベルを 確保しつつ、いかにコストを下げていくのか、ということを考えていました。
コストを下げるには様々な方法がありますが、大きくはチューニングの実施、高スペックな基盤を活用したサーバ集約、の2つが考えられます。しかし、チューニングに関しては、その検証に時間とコストがかかる上、どれだけの効果がでるのかも未知数です。
一方、基盤を変更による集約は、どれだけのコストで利用できるのか、どれだけの効果がでるのかといったことをあらかじめ試算することができます。
更にハイブリットで専用環境を利用することで、より確実なパフォーマンス設計をすることができます。とは言っても、これは多くのクラウドを活用している我々のノウハウがあるからこその考え方でもありますが（笑）。このこと から、基盤を変更する判断をしました。

※構成図をクリックすると拡大します

フリービットクラウドを選定した理由 ～基盤性能・コスト・MSP～

©Y・S/IE ©MARV

そこで、新しいクラウド基盤には、I/O性能が高く、迅速で柔軟な対応を期待できる国内のクラウド基盤を採用しようと考えていました。何社か検討した結果、フリービットクラウドを選定しました。
フリービットクラウドは、別のオンラインゲームの基盤として使っており、安定稼働している実績があり、I/O性能やコストについても高く評価できる基盤です。イベント時でも、これまでよりも少ない数のサーバで運用できるのは明らかでした。
また、フリービットクラウドはハイブリットクラウド構成が可能なので、イベント等が無い時の基本構成とIO性能の担保をプライベートクラウドで行い、イベント時のスケールアウトにパブリッククラウドを活用する構成にすることで、より確実な性能の担保とコスト圧縮を実現することができるのも大きな魅力です。
運用面におけるサポート体制、つまりMSPも重要なポイントになるのですが、フリービットクラウドとゲーム業界の運用を熟知したMSP事業者と連携したワンストップサービスを提供して頂けるので、インフラ基盤の運用負担も低減することができます。
フリービットさんはオンラインゲームに関するノウハウの蓄積がありますし、スペック、価格、運用やサポート体制についても、申し分ありません。「一騎当千 バーストファイト」の乗り換え先の基盤として、必要な要件はすべて満た していました。

フリービットが提供する
ハイブリットクラウドの導入効果とは

フリービットクラウドに変更したことで、イベント時のサーバ台数は3～5割ほど削減できました。コスト削減効果は十分です。その上、オンラインゲームのパフォーマンスは向上しています。特に、I/Oのボトルネックが解消されたため、サーバがリソースをより効率よく利用できる状態になったためだと考えています。
これまでは、イベント中に「繋がりにくい」といったユーザー様の声が少なからずありましたが、フリービットクラウドに変更してからは、そのような声は明らかに減りました。基盤を変更したことで、ユーザー満足度の向上が実現出来ていると考えています。MSPについても対応は迅速ですし、移行後の運用についても定例会で協議しながら常に改善が出来ているので、運用負荷の低減にも効果は出ています。
高パフォーマンス基盤で処理速度の改善や集約によるコスト削減、MSPと連携した運用改善を含め、事前に想定した効果がしっかりと出せているので、満足しています。